数年前のNHKのクローズアップ現代で、インプラントのトラブルについて特集がありました。
その反響は大きく、私達にも、よく問い合わせがあります、しかし報道は、適正を欠いた内容が多々あり、歯科医、患者さん共々に、迷惑が掛っています。
そこで、「インプラントの手術に関して、不安をお持ち方」に、コメントさせて頂きます。
インプラントは、「失った歯の機能を、回復できる優れた治療法」で、きちんとした技術を習得した歯科医が行えば、施術のトラブルは極めて少ないと言えます。
インプラント手術で、最も気を付けないといけない点は、「やり直しができないので、適正な位置に植立する」ことで、これが正しく行えない場合に、様々なトラブルに、発展します。主なトラブルは「下顎では三叉神経や血管の損傷、上顎では鼻腔や上顎洞への突き抜け」などがあり、これらは、手術中に、ドリルの方向、深さを、Ⅹ線やCTで、術中の診断をし、注意深く行えば、防ぐことができます。(※特に骨の幅や高さが少ない場合は、三次元の診断ができるCTの方が、より安全で確実な施術ができます)。
他科の手術についても同じことが言えるかと思いますが、患者さんが「、痛みや腫れを伴う手術を選択される判断基準」は、「それを上回るメリット」があるかどうかだと思います。
インプラントは下記のようなメリットがあります。
- 1~2本欠損→隣の健康な歯を削らなくて済む
- 2~3本以上の欠損→義歯をしなくて済む
- 無歯顎で総義歯→2~4本インプラントをする事で、義歯の安定度が増す。
などで従来にはない、「治療の質の向上」が期待できます。
総じますと、インプラントの利点は、患者さんが「よく咬め、他の歯も、長持ちし、快適な食生活ができる」ことにあります。インプラントは、適確に手術を行えば、問題ありませんし、素晴らしい治療法ですので、安心して受診されて下さい。